韓国の中華料理『韓国の酢豚』とは!日本の酢豚といったい何が違うの?

韓国

韓国の中華料理『韓国の酢豚』をご存じですか?
日本の中華料理ではおなじみですが、韓国にも酢豚があります。
韓国ドラマや映画に出てくるので、ご存じの方もいるのではないでしょうか。
ただ、韓国の酢豚は食べ方が少し特徴的なんです。

日本の酢豚との違いも含め、この記事では、韓国の中華料理『韓国の酢豚』について解説していきます。ぜひご覧ください!

韓国の中華料理『韓国の酢豚』を紹介

韓国の酢豚【탕수육(タンスユク)】は片栗粉を衣にしてカラッと揚げた豚肉に、とろみのある甘酸っぱい甘酢ソースを添えた韓国式中華料理です。

タンスユクは漢字だと【糖醋肉】と書きます。

タン【糖】とス【醋 (酢)】とユク【肉】を使った、漢字の通り甘くて酸っぱいお肉の料理です。

韓国の中華料理といえばチャジャン麺やチャンポンが思い浮かびますが、酢豚も欠かせない一品となります。

日本の中華料理にも酢豚がありますが、豚肉を揚げ、甘酢ソースをかけるという基本的な調理方法は韓国の酢豚と同じです。

基本的な調理法が一緒なら何が違うの???

韓国の酢豚は、豚肉と甘酢ソースが別々に盛り付けられ提供されます。

日本の酢豚は揚げた豚肉と甘酢ソースを調理の段階で和えるのに対し、韓国の酢豚は別々なんです。

また肝心の味ですが、日本の酢豚は酸味が強く、韓国の酢豚は甘みが強いです。

文化の違いっておもしろいですよね。

では、韓国の酢豚の甘酢ソースには何が入っているのでしょうか。

韓国の酢豚の材料は?どうやって作るの?

日本の酢豚

韓国の酢豚の材料は、もちろん豚肉です。甘酢ソースにはきゅうり・にんじん・玉ねぎ・ピーマン・キクラゲ等が入っています。
日本と同様、お店によってはパイナップルが入っている酢豚もあります。

日本の酢豚も、甘酢ソースに同じような野菜を入れますが、きゅうりはとても珍しいと思いませんか?

豚肉の衣は片栗粉で、且つ2度揚げするためものすごくサクサクに揚がります。

甘酢ソースはお店によって作り方が異なりますが、私は上記のお野菜を炒めた後、そこにお砂糖・お酢・醤油等の調味料を入れ煮込み、最後に片栗粉でとろみをつけます。

※お店によってはお鍋に調味料とお野菜を入れて、炒めずに最初から煮込むところもあります。

パイナップルを入れているお店では、甘酢ソースにパイナップルの缶詰の汁も使っていますよ。

韓国の酢豚のちょっとした歴史①

昔は、中華料理といえば高級料理で、韓国の酢豚は衣がふわふわな豚の揚げ物に、薄味の甘酢ソースをかけたものでした。

現在のような、カラッと揚がった豚肉と甘酢ソースを別にした庶民的な料理になったのは、韓国の中華料理市場の変化と言えるでしょう。

1990年代以降、酢豚のフランチャイズ店が増えていき、価格競争が激しくなりました。

その中でも、後発のフランチャイズ店はコスト削減のため、色々ごまかしていました。

例えば豚肉の衣には、小麦粉と膨張剤を入れ固い衣に仕上げたり、ソースにはケチャップや果物の缶詰をたくさん入れ、質の良くない衣の味をごまかそうとやたらと甘酸っぱくしました。

従来の中華料理店も負けじとこれを真似し、価格競争に参入していきましたが、従来の中華料理店ががんばった結果、酢豚のフランチャイズ店はほぼなくなりました。

ただ、このような過程で『酢豚は安くて庶民的』という認識が定着しました。

韓国の酢豚のちょっとした歴史②

1990年代、韓国の出前市場は成長していき、出前専門の中華料理店がたくさん増えました。
韓国で出前は、配達【배달(ペダル)】と言います。

韓国の出前事情って本当にすごいですよね。

現在のような、カラッと揚がった豚肉と甘酢ソースを別にするスタイルは、出前で届ける際、揚げ物のサクサク感を損なわないための中華料理店の対策でした。

出前はお店と違い、届くまでに時間がかかるので、甘酢ソースをかけるとどうしても揚げ物が湿気てしまいますよね。

別々になって届くので、『酢豚の肉とソースは別!』と人々は認識するようになります。
みんなサクサクした固めの豚肉に慣れ始め、かけるのではなく、つけて食べるようになっていきました。

このように出前酢豚が当たり前となり、豚の揚げ物に甘酢ソースをつけて食べるスタイルが、かけて食べる伝統的なスタイルより人気になってしまいました。

韓国の酢豚はソースをかける?ソースをつける?

繰り返しになりますが、韓国の酢豚は、揚げた豚肉と甘酢ソースが別々になっています。

食べ方は2通りあります。
豚肉に甘酢ソースをかけて食べる方法と、豚肉に甘酢ソースをつけて食べる方法です。
それぞれ【부먹(ブモク)】【찍먹(チッモク)】と言います。

【부먹(ブモク)】 ⇒ 豚肉に甘酢ソースをかけて食べる
【찍먹(チッモク)】⇒ 豚肉に甘酢ソースをつけて食べる

この食べ方ですが、かける派かつける派かよく論争の題材にされがちで、バラエティ番組やドラマ等でも時々見かけます。
韓国の酢豚は、みんなでシェアして食べることが多いため、意見が割れるのでしょう。
かけて食べるかつけて食べるかは、韓国では永遠のテーマのようです。

日本の酢豚は、最初から甘酢ソースに豚肉はかかっているので、かける派もつける派もないので平和ですね。

もし、日本で例えるならば、みんなでシェアする唐揚げに、レモンをかけるかかけないか問題に近いかもしれません。
サクサク感を損なわないという意味では、シリアルを牛乳をかけてサクサクのまま食べるか、ふやかして食べるかに近いでしょうか。

かける派の意見【부먹파】

かける派の意見には以下のようなものがあります。

・甘酢ソースをかけて染み込ませて食べるとしっとりしておいしい
・甘酢ソースをかけないと、豚の揚げ物が固すぎて食べずらい
・この食べ方が本来の酢豚だ
・つけて食べると、甘酢ソースに豚肉をつける度、みんなの箸が甘酢ソースにつくので衛生的に嫌
・伝統的な食べ方を変えたくない
・中華料理の資格試験の酢豚の規定にも、ソースはかけて食べるものだと定義されている

つける派の意見【찍먹파】

一方つける派の意見は以下のようなものがあります。

・酢豚はサクサクに食べてこそ酢豚だ
・豚の揚げ物がしなしなになるとまずい
・チャジャン麺やチャンポンに入れて食べたいからかけたくない
・もし残してしまったときに、つける派であれば豚の揚げ物も甘酢ソースもそのままなので
 ただ温めるだけでおいしく食べられる
・(かける派に対して)ソースをつけてしなしなにさせるなら、揚げる意味はありますか?

つけるかける論争はドラマでも?

かける派の意見もつける派の意見もとても理解できます。

この韓国の酢豚論争は、韓国ドラマでも時々見かけます。
ドラマの中でおもしろい取り上げ方だなと思ったのは『検索ワードを入力してくださいWWW』です。

※少しネタバレになってしまうので、これからドラマを視聴される方はご注意ください。

ポータルサイトを運営する企業で、発表前のスタンプ(LINEスタンプのイメージ)のチェックをしていた時、うさぎが酢豚にソースをかけているかわいいスタンプがありました。

これを見て、かける派とつける派の社員たちが論争するのです。

ネタバレになってしまうのでこれ以上は書きませんが、社内でみんなが真剣に論争をしていておもしろいなと思いました。

実際に韓国の酢豚を食べているシーンはないですが、その後の展開も含め印象に残りました。

話の中のほんの一部ですが、ぜひ見ていただきたいです。バリバリ仕事をしている女性にはおすすめのドラマです。
イダヒさんもとてもキレイです。

韓国の中華料理『韓国の酢豚』とは!日本の酢豚といったい何が違うの?【まとめ】

韓国の中華料理『韓国の酢豚』を解説していきました。いかがでしたでしょうか?

韓国の酢豚は日本の酢豚とは少し異なり、好みの食べ方が人によって違うんですね。
その時の気分で食べ方も変えられるので、色んな楽しみ方ができますが
けんかになったら嫌なので、私は相手の方に合わせる派です。笑

韓国の酢豚はお家でも簡単に作れるので、ぜひチャレンジしてみてください。

酢豚以外にも韓国の中華料理はまだまだあるので、また紹介します。
よかったら他の記事も読んでいただけると嬉しいです。

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